コメント
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有栖川 :さて、この辺でボーイズラブの話を聞かせてください。一番最初にボーイズラブのお仕事でご一緒したのが、『わがままプリズナー』って言う作品で。
福山 :はい。
有栖川 :で、収録の時に雑誌社の方が一緒にいらしたんですけど、福山君の声を聞くのが初めてだったらしくて、『素敵な声ね、これから来そうな気がする』っておっしゃってました。
福山 :ありがとうございます(笑)
有栖川 :あの時は友人っていう脇のキャラだったんで、出番も少なくて申し訳なかったんですけど、時を経て『チェリーボーイ作戦』という作品に出ていただいて……。内容とか覚えてらっしゃいます?
福山 :もちろん(笑)
有栖川 :アンケートで、福山君にやっていただいた水上毅という役がすごく支持率が高くて。で、夏か秋くらいに、今度は水上を主人公にした攻め視点の続編を出したいなと思っているんです。もちろん相手は鈴村さんで。福山君は可愛い受け役の方が多いと聞きましたが?
福山 :そうですね、そっちのほうが多いですね。攻めキャラはあっても、絡みがあったのはチェリーが初めてですね。
有栖川 :そういうシーンがなかった?
福山 :なかったっていうのもありますけど、どっちも可愛い系の男の子で、相手が受けだったから攻めに回ってるっていう攻めキャラは何度かあるんです。だから、誘い受けでしたけど、初めから攻めの姿勢っていう水上みたいなキャラは、実はあれが初めてだったんですよ。
有栖川 :今年に入ってボーイズラブのお仕事、増えましたよね。
福山 :そうですね、去年で結構増えましたね。ボーイズラブの仕事を始めたのが、一昨年からで。『わがままプリズナー』は2回目の現場だったんですよ。
有栖川 :そうなんですか?
福山 :あれから何ヶ月後かにメインをやらせてもらってって感じですね。
有栖川 :水上というキャラはご自分としてはどうでしたか?
福山 :新鮮でしたね。キャラ的に吉野さんは子供に可愛く作って、鈴さんはニュートラルなヤンキー系で。
僕は年齢的な問題で声が若いじゃないですか。それを鈴さんより大人なキャラにつくっていくっていうのが……。あれは最大限低い声でやっていたんですよ。
水上は落ち着いたキャラだったので、感情の高ぶりが少ないじゃないですか。だからよかったんですけど、もしも感情の高ぶりがあったりすると、どっちが年上かわかんなかっただろうなって、探りの部分があったんですよ。
有栖川 :そうなんですか?
福山 :でも、あれから時間がたって、また夏になったら、僕自身も少しは成長してると思うんで、大人を出せるかなって思いますね。そういう新しい引き出しのキャラです、水上は。
ボーイズラブの仕事をさせていただいて面白いのが、アニメではがらっぱちな熱血キャラが多いのに、ボーイズラブでは可愛い系や大人しい系の男の子が多いコトですね。
有栖川 :じゃあ、このジャンルで初めて?
福山 :ということが多いんです。アニメでは水上みたいなしっとりした大人のキャラっていうのありえなかったんで、どうキャラを構築していくかとか、新たにまた自分でやってみたいっていう欲求も出てきて。
たとえば、鈴さんが相手だったら、こういうふうにやってみたいっていうのが、出てくるんですよ。可愛い男の子にしても、ボーイズラブの経験が無ければなかなかできなかったかもしれません。違うタイプの極端なほうを経験するからこそ、真ん中が見えてくるということがあるんですよ。
有栖川 :なるほど……。
福山 :だから、そういうフィールドを与えてくれるボーイズラブっていうのは、新しい役であればあるほど楽しいんですよね。
有栖川 :みなさん、受けより攻めのほうがずっと難しいっておっしゃるんですけど、どうでしたか?
福山 :難しいといえば難しいんですけど、普通、攻めっていうのは能動的な立場で、受けが受動的な立場じゃないですか。でも、僕が感じたのは、受けの方が能動的で、受動的なのは攻めなんですよね。
有栖川 :そうなんですか?
福山 :『チェリーボーイ作戦』の後に、一回攻め側をやった時も思ったんですけど、結局向こうの反応を見ながら、合わせる形の攻めになるんで。森川さんとか櫻井さんの相手をさせてもらっても、すごくこっちの反応に合わせてくれて。
だから、逆に僕が能動的に攻めをやれば、受けの方は合わせてくれるんでしょうけど、結構やりづらいんじゃないかな。お互い駆け引きがあったほうがいいですよね。別の作品なんですけど、ずっと受けだったキャラで攻めに回ったことがあって、その時、あれ? なんか、こっちの方がいいなとか思った瞬間があったんですよね。
有栖川 :それは一枚の作品で両方やられたということなんですか?
福山 :そうなんですよ。その前はずっと受けだったですけど、攻めもお互いニュートラルな立場だったんで、じゃ、今回は趣向を変えてということで。受けの方とお互い反応を見ながら演じていたら、すごい新鮮な感じだったんですよ。今までの自分の役割を客観的に見れて、全然違うところをやれるわけじゃないですか。
有栖川 :抜き録りの経験はありますか?
福山 :あります、あります(笑)
有栖川 :相手がすでに録ってあれば聞かせてもらえるけど、何も無い時は……どうですか(笑)
福山 :やりにくいといえばやりにくいですけどね。でも、逆に合わせてくれるんだろうっていう無責任な考えで(笑)
森川さんが相手役で抜きだったことがあったんですけど、「こっちで合わせるから好きな間合いでやっていい」って言ってくださって。結局、スタッフの方の調整も含めて、すごく合わせていただけて、そういう部分での信頼が見えるので、その時はその時のフィールドで、っていう感じですかね。
有栖川 :話が『チェリーボーイ作戦』に戻るんですけど、実は今度、過去の話にしようかなとも思ってるんですよ。演じ手として、ご自分のやってみたいこともひっくるめて、ご希望があればうかがいたいのですが。
福山 :僕は未来も過去も、『チェリーボーイ作戦』を基準として考えるんだったら、その想像として、過去にもそれなりの何かが出てくるだろうし、未来に発展してもそれは別のものじゃないですか。僕はどっちのほうがいいっていうのはないですね。水上という役の中で楽しくやれれば、はい。
有栖川 :出演依頼が来た時は、原作は読まれますか?
福山 :基本的に何日か前にいただいた台本に、原作をつけていただいた時は目を通しますね。特に小説だと挿絵でキャラが見れますし、少なくとも相手のキャラの顔はわかっておきたいなぁっていう部分があって。
有栖川 :そうですよね、イメージがね。
福山 :漫画原作だと、台本読む前に漫画読んで、ビジュアルイメージをはっきりとさせます。小説の場合は先に台本を読んじゃって、核となる部分をナレーション的な表現とか踏まえて全体の状況を見ますね。
台詞の絡みとかじゃなくて、キャラの裏の心情とか状況とかそういうのを知ってた方が明らかにやりやすい。やっぱり、自分で確信持ってやりたいじゃないですか。
有栖川 :事前の情報っていうのは、多めにあった方が演じやすいということですね。
福山 :そうですね。ある程度、ビジュアルと性格とキャラの関係がわかるものがあれば……。
でも、何も無いなら無いなりに、それは自分たちに任されたと思ってやりますけど。原作本とかいただけなくても、本屋で探してビジュアルだけでも見ておくっていう感じですね。まあ、ほとんどの現場で原作はいただけますんで、やっぱり、目は通しますね。
有栖川 :では、最後に一言お願いします。
福山 :キャラクターをより見てもらえるような演技を心がけてきたので、それをより濃くしていきたいと思います。
ファンの方にも、いろいろたくさん聞いていただいて、僕に意見とか……あ、ダメ出ししてくれってことじゃないですけど(笑)
そういう感想とかも毎回楽しく見させてもらってるので、それに対して僕も挑戦するつもりでやってます。そういう意味で純粋に楽しんでいただければと思います。
有栖川 :今日はどうもありがとうございました。
福山 :ありがとうございました。

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